知っておきたい「冠婚葬祭」の豆知識【着帯祝い】
掲載日:2023/11/16
出産の無事を祈る、いちばんはじめのお祝い。
帯祝い(着帯祝い)とは、赤ちゃんを授かった際のお祝い事。妊娠5か月目の
安定期に入った頃、出産の無事を祈り、妊婦に腹帯を送る慣わしです。

岩田帯と呼ばれるさらしでできた布を妊婦のお腹に巻いて安産を祈ります。
本来はお産の軽い犬にあやかり、戌の日に行われていましたが、
現在ではあまり日程にこだわらなくなりました。
この時期には流産の心配もなくなるので、親戚等へ妊娠を知らせるという意味合いも含め、
帯祝をすることもあるようです。
---着帯祝いの仕方とポイント---
○正式なしきたり
「帯役」を子宝に恵まれた夫婦に依頼し、仲人・両家の両親を招いて
帯を巻く儀式を行うのが正式なしきたりです。
しかし、最近では結婚する際に仲人を立てないことも多く、
しきたりにはあまりこだわらず、神社で安産祈願をしたのち、
妻の母や姑、または夫に岩田帯を巻いてもらい、祝い膳を囲むことが多いようです。
○そもそも帯を巻くとどんな効果があるの?
「帯祝い」という儀式性に埋もれがちですが、そもそも帯を妊婦に巻く
実質的なメリットはあるのでしょうか?
実は医学的にも帯を巻くことは理に適っているのです。
妊婦のお腹に帯を巻くことにより大切なお腹を保護するだけでなく、
胎児の位置を安定させる効果もあります。
また、腰の負担を抑え、妊娠線の発生を防ぐ効果も見逃せません。
○岩田帯は誰が買う?
妊婦の実家から贈るのが一般的です。
正式には紅白絹の帯と白木帯一反を添えて贈ります。
岩田帯は安産祈願をする神社やデパートでも買い求めることができます。
○神社へのお礼(初穂料)や帯祝いの金額は?
神社へのお礼は5千円が目安となりますが、
安産祈願の予約を入れる際に金額を確認しておきましょう。
帯祝の金額は、妊婦の親は1万円から3万円、夫の親や兄弟は5千円から1万円、
同僚・友人は3千円から5千円が一般的です。---ご存知でしたか?---〈岩田帯の由来〉
岩田帯とは妊婦につける白い布の腹帯のことをいいます。
さらしの布でできており、結肌帯(ゆわたおび)とも呼ばれます。
ユハダオビ(結肌帯、斎肌帯)から転じたとされる説もあります。
《箒(ほうき)は安産のおまじない》
今ではあまり見られなくなりましたが、ほうきを使った安産祈願が
昔から行われていました。
ほうきには「ハハキガミ」という出産にかかわる神様が宿っているとされ、
ほうきを妊婦さんの足元に逆さに立てたり、新しいほうきでお腹をなでる、
赤ちゃんが生まれる部屋にほうきを立ててお酒をそなえるなどの習慣が
ありました。
また、ほうきはものを集めたり掃き出したりするということにちなみ、
産まれてくる赤ちゃんの魂をしっかりと集めて離さないように、また
無事に産まれ出るようにとの願いも込められています。

〈気を付けましょう〉